古代エジプトの第18王朝のイクナートン王の墓には、王と一人の男性の親密な姿が
同性愛の歴史
古代エジプトの第18王朝のイクナートン王の墓には、王と一人の男性の親密な姿が刻まれていたとのことであり、他の王の墓にも同性愛関係を示唆する男性二人の像が刻まれていることから、古代エジプトでは、同性愛は容認されていたと推測されている。国王が男性の愛人を持つ例は、古代メソポタミアでも見られ、これが古代ギリシアになると、一般階級にも広まり、自由人の男性が少年の愛人を持ったり、女性が同性愛関係になることもあった。キリスト教が広まる前のローマ帝国でも、男性と同性愛関係になる皇帝が多く、ネロ皇帝の場合は、結婚式まで挙げていた。
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しかし、ローマ時代も4世紀になると、同性愛に対して不寛容な態度をとるようになった。342年に同性愛結婚を禁じる法令が出され、533年のユスティニアヌス法典では同性愛行為が禁止された。なぜ同性愛が否定的に見られるようになったかについては、定説はないが、後期ローマ帝国においてローマ人の影響力が低下し、個人道徳に対する国家の規制が増大し、性の面における禁欲が望ましいとする風潮が出てきたことに由来すると考えられている。313年に国教となったキリスト教が同性愛を敵視したというより、同性愛を禁止しようとする動きがキリスト教を利用して同性愛禁止をローマ帝国中に広めたようだ。実際に、同性愛行為で刑罰を受けた人で実名で知られている人は皆キリスト教の司祭だったという。ユスティニアヌス� ��の同性愛取り締まりも同性愛行為禁止令制定後の同性愛行為ではなく制定前の同性愛行為を追求していることから、政敵排除の色彩が強い。同性愛禁止を進める為政者は、同性愛行為が生殖を伴わず、かつ婚外行為であるため、キリスト教義で認められないとしたのである。
しかし、それでも中世初期までは様々な信仰や生活形態を受容する社会的環境があったので、規制は徹底したものではなかった。同性愛者もユダヤ人も魔女も、正統キリスト教の中で異質のものであったが、一般の人の間に混じって目立たず暮らしていた。
中世後期以降のキリスト教文化圏で、忌むべき罪となったのである。
聖書から、同性愛に関する記述を取り上げて、同性愛の何を戒めているのか、見る。
旧約聖書『レビ記』には、「あなたは女と寝るように男と寝てはならない。これは憎むべきことである」「女と寝るように男と寝る者は、ふたりとも憎むべきことをしたので、必ず殺さなければならない」
保護司は、火器を運ぶべきではありません
新約聖書『コリント人への第一の手紙』では、「正しくない者が神の国をつぐことはないのを、知らないのか。まちがってはいけない。不品行な者、偶像を礼拝する者、姦淫をする者、男娼となるもの、男色をする者、盗む者、どん欲な者、酒に酔う者、そしる者、略奪する者は、いずれも神の国をつぐことはないのである」
この「男娼となる者」「男色者」を、改訂標準聖書では、「ホモセクシュアル」という一語になっている。新約聖書で戒められているのは、ローマ帝国にはびこっていた男色と男娼とその他の不道徳である。だから、「同性愛」に置き換えた改訂標準聖書をもって、同性愛は聖書で禁じられているというのは、あくまでも聖書の一つの解釈である。
ソドミーについて。
ソドミー法の言葉の起源は旧約聖書、『創世記』にソドムという都市国家のはなしがある。ソドムの人たちは邪悪で罪深い人であったので、神の怒りにふれて天上からの火によって滅ぼされてしまったという話。
この中に具体的に書かれている邪悪さは、男色ではなく遠来の客への冷遇や、集団強姦である。強いて男色をと言えば、ソドムの町の人によって集団強姦されかかった二人の娘以外に、二人の男性の神のみ使いがいたことである。ソドムの様々な非道さは、「反自然的性交」の意味にすり替えられてしまい、ソドミーという語が造成された。
ソドミーは、具体的には同性愛と獣姦の性行為を指す。
ローマ帝国時代には、同性愛者のソドミーは被害者のいない犯罪とされ死罪になった。16世紀になると、イギリスではソドミー行為は人間の自然的本姓に反する重罪になった。アメリカでもソドミー行為は独立時の13州で禁止されていた。連邦憲法修正14条が追加された1868年には、当時の合衆国すべての37州の中で32州がソドミーを禁止し、1961年まではアメリカすべての50州が禁止するようになった。
バアウズ裁判
ジョージア州のソドミー法
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「一人の性器ともう一人の口腔か肛門による性行為」は、1年以上、20年以下の拘禁刑に処する。
1982年、ジョージア州アトランタで、ハードウィックは、公共の場所での泥酔による罰金が未納になっていた。そこで、警官が罰金未納の礼状送達にハードウィックの自宅までやってきた。取り次ぎに出てきた客人が、ハードウィックは寝室にいるかもしれないと言った。そこで、警官は、ハードウィックを捜しに家の中にはいった。寝室のドアが開いていたので、警官は中を覗き、ハードウィックが他の男性と口腔を使用して性行為を行っているのを目撃。現行犯で逮捕した。しかし、郡首席検事は、予備審問後に十分な証拠が出るまで大陪審にかけないと決定した。(予備審問とは、逮捕された被疑者について、犯罪の嫌疑があるかどうかを調べる手続きのこと)
同性愛者のハードウィックは、ソドミー法があるかぎりいつ逮捕されるかわからないので、合意の上での私的なソドミー行為を犯罪とするジョージア州ソドミー法は、連邦憲法に違反すると主張して、連邦地方裁判所に民事訴訟をおこした。
ハードウィック敗訴。
次に連邦控訴裁判所に上訴。ハードウィック勝訴。ハードウィックのソドミー行為は、婚姻の行為に匹敵する親密な人体結合であり、私的に行われているので、ジョージア州のソドミー法は、連邦憲法修正第9条と修正第14条の適正手続き情交により保証された基本的権利を侵すものであり、州は、基本的権利を侵害するにはそうせざるをえない極めて重大な利益を示すことができなければ違憲である。
プライバシー権とは、
@断種の強要
A異人種間の婚姻
B避妊剤の使用と配布
C妊娠中絶
ソドミー行為もプライバシー権に含めるべし。
それにたいして、ジョージア州は、連邦最高裁へ上告
これが、バウアズ裁判。
バウアズとは、ジョージア州を代表して上告した同州司法長官。
結果は、5対4のきわどいところで、ソドミー法は合憲。
「この裁判の争点は、ソドミー法が望ましか否かとか同法を廃止すべきか否かということではなく、連邦憲法が同性愛者のソドミー行為に基本的権利を与えるかどうか、そのことにより多くの州のソドミー法が無効になるかを判断することである。同性愛のソドミー行為は、子どもの養育や教育、妊娠中絶、避妊等で認められている権利と類似性がなく、よって、教育や妊娠中絶等に与えられたプライバシー権はない。理由は、同性愛者のソドミー禁止の歴史は、古代まで遡り、アメリカにおいても建国以来禁止の歴史があり、同性愛者のソドミー行為は不道徳な行為とみなされているので、憲法上の権利と言いがたい。ハードウィックの行為が合意の上の私的な場における行為であるから、憲法上の権利があるという主張は、家の中な� ��どんな違法行為も可という解釈になる恐れがあるので、受け入れることはできない」
それに対して、
「ソドミー行為は他人の権利を侵害するものではない。ヨーダー判決(ウィスコンシン州は宗教的少数派のアーミッシュに対して第9学年以降の義務教育の強制を行ってはならないという宗教的信念の自由な行使を認めた判決)に見られるように、奇妙に映る生活様式でも、他人の権利を侵害しないならこ異なっているということで避難すべきでない。とくに、本件は、自宅内という私空間で行われたわけであるから、住居内のプライバシーを保障した連邦憲法修正第4条を無視し、残虐な刑罰を禁じた修正第8条、人民の権利に関する一般条項の修正第9条、修正第14条1節の平等保護条項に抵触する」
1997年現在のソドミー法。
22州でソドミー法が施行されている。刑罰の重い州としては、アイダホ州の終身刑。ジョージア州の20年。軽いところでは、ユタ州やカンザス州の半年の懲役か1000ドルの罰金。
同性愛間のソドミー行為のみを禁止している州としては、アーカンソー州・カンザス州・ミズリー州・モンタナ州がある。首都のワシントンでは、クリントンが政権をとった1993年に廃止された。
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